おでかけサンダル 開発ストーリー <チャプター2>

前回のストーリーはこちら

手探りの第一歩 〜ソフビ製造メーカーを探して〜

サンダルのデザインイメージが固まったところで、今回一緒に開発をお願いするソフビ製造メーカーさん探しが始まりました。ところがそれが、予想以上に難航することに……。

現在、日本国内でソフビ製品を作っているメーカーはそれほど多くはありません。その上、ソフビ製造は各工程で分業化されているため、製品の設計(原型)から仕上がり(成形)まで、1つ1つの工程を束ねてディレクションする担当者が必要になります。

経験に基づく専門知識と職人の技術、さらに今回は「リアルサイズぬいぐるみ」にぴったりなサイズにするために、デジタルツールを使っての量産前のシミュレーションも不可欠です。

そして何より、「リアルサイズぬいぐるみ」という既存製品に対してピッタリサイズで作りたいという我々の意向をしっかり理解し、仕上がりを見通して何をどう設計すればいいか、一緒に考えてくれる人がいなければなりません。
でないと最悪の場合、出来上がった商品が「リアルサイズぬいぐるみ」にサイズが合わず販売できない……という可能性も出てきてしまいます。

つまり、今回の製品企画はソフビ製造メーカーにとって、各工程にまたがって細かなリクエストが多く「非常にめんどくさい案件」だったのです!

そんな中、我々の求める希望条件を受け入れてくれる会社が、ようやく1社だけ見つかりました。

製作開始!

今回、ソフビ製作を依頼したのは、株式会社アルチザンデザインスタジオさん。

世界的にソフビムーブメントが高まりを見せる中、国内外の新進気鋭のアーティストソフビ製作や自社ブランドartisantoyを展開するなど、東京下町でメイド・イン・トーキョーのソフビを製作しているデザインスタジオです。

株式会社アルチザンデザインスタジオのインスタグラム
https://www.instagram.com/artisantoy/

最初の打ち合わせでは、代表の清原武さんにトガリの「リアルサイズぬいぐるみ」を実際に見てもらい、イメージ図のようなサンダルをピッタリサイズで制作することが可能か検討してもらいました。
このピッタリサイズというのがなかなか難しく、大きすぎると脱げやすくなってしまうし、小さすぎると履けなくなってしまう…。

そこで、金型の段階ではサイズに若干のマージン(余裕)を持たせつつ、ソフビの素材(硬さ)や成形(焼き)時間で仕上がりのサイズ感を調整するという方向性を話し合い、正式に製作を依頼。

いよいよここから、生産に向けた実製作がはじまりました。

トガリ
いいソフビの会社の人が見つかてくれて、よかたねぇ! ソフビ会社さん、ちょとここからは、よろしくおねがいします!

3D原型データ作成

スタジオではまず、手書きのイメージ図をもとに3Dのデジタル原型データを作成し、サンダルを立体的なイメージに変換します。
その際、ソフビ素材そのままだとツルツルしすぎてしまうため、アッパー(甲)部分は全体的に少しザラザラした質感をリクエストしました。

初期の3Dデジタル原型データ(資料提供:株式会社アルチザンデザインスタジオ)

この段階で細部の修正と調整を重ね、仕上がりをイメージしながら、理想の形になるまで追い込んでいきます。

修正指示のイメージ図

ソールの裏に「Made In Japan」表記を追加、バンド部分の凹凸箇所に微調整を加えて理想的な3Dデジタル原型データが完成!

修正を反映した3Dデジタル原型データ(資料提供:株式会社アルチザンデザインスタジオ)

こうして完成したデータを3Dプリンターに送信し、サンダルの原寸大サンプルを作成。実際に「リアルサイズぬいぐるみ」に履かせてみることに。

ところが、ドキドキの試着でアクシデントが…!

トガリ
カコいいサンダルになてきたねぇ! ちょともう、早く、はいてみたいです!
次回、<チャプター3>へつづく!